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第9回技術講習会 平成28年12月21日(水)@浜松医科大学

ヘリウムイオン顕微鏡技術による観察・評価と加工 – 生体分野への応用を目指して –

小川 真一 博士
産業技術総合研究所 ナノエレクトロニクス研究部門 招聘研究員
大阪大学大学院 工学研究科生命先端工学専攻 招へい教授

1ヘリウムイオン顕微鏡(Helium Ion Microscope ; HIM)が 2006 年に米国で実験室用途レベルで実用化さ れ、現在は HIM を用いた観察・評価および加工技術など HIM を用いた応用研究開発が世界各所で行われている。タングステンチップ尖端に減圧(1E-6 Torr)低温環境(73K)で吸着させたヘリウム(He)原子を電界蒸発させ、尖端三原子(トライマー)から放射されるビームの一つをプロービングビーム(点光源ビーム) として選択し試料に走査照射して発生する二次電子を用いて表面微細構造観察などを行う。小川は 2010年1月にHIM を国内で初めて導入し、HIMを用いた観察・評価、加工手法の研究開発を行っている。HIM 技術は産まれて既に10 年の技術であるが、HIMで何ができるか、走査型二次電子顕微鏡(SEM)や透過電子顕微鏡(TEM)ではできない新たな応用を探索することが今、最も重要である。得られるビームはほぼ点光源であり、エッジコントラスト法による分解能は 0.35nm を得ている。本講義では HIMの概略を述べ、SEMに対するHIMの利点として、1電子線同時照射による絶縁性材料観察、2単一光源による深い焦点深度観察、3単位体積辺りへの低パワー照射に起因した低ダメージ観察、4低エネルギ二次電子(短平均自由行程)による極表面敏感な観察・評価が可能であることを実際の例を含めて説明する。その他の応用として W(CO)6 ガス 雰囲気でHe イオンビームを照射して形成した微細なタングステン構造堆積 、He イオンビーム照射によるグラフェン膜の nm レベル(10nm 以下)エッチング・パターンニング技術、1%前後の格子欠陥導入による伝導 特性制御(導体→半導体→絶縁体)技術、細胞観察への応用、などに関して概略を述べる

これまで小川の実施した生体分野への応用例は少ないが、今後、本講義に参加されている皆様と一緒に生体分野への応用を進めて行きたく考えている。

日時: 平成28年12月21日(水)17:30 ~ 19:00
場所: 浜松医科大学臨床講義棟 小講義室

申込先:
〒431-3192
静岡県浜松市東区半田山1-20-1
浜松医科大学 細胞分子解剖学講座
Tel: 053-435-2086 Fax: 053-435-2468
Email: ims@hama-med.ac.jp